2016年5月9日月曜日

大人の階段

地域:アフリカ
国:セネガル
テーマ:文化の違い、伝統文化、通過儀礼

今日は西アフリカにあるセネガルという国の話です。
みなさん、セネガルという国を知っていますか?

さて、この写真を見てください。
セネガルで撮影されたものです。
気づくことはありますか?
(何をしているのか、どこにいるのか、この後なにが行われるのかなど)




実は、このあと彼らは身体のある部分をちょんぎります。
ヒントは・・・全員男の子です。
さて、どこでしょう。

正解は、「ちんちん」です。
ちんちんの皮の一部を切り取ることを「割礼(かつれい)」と呼びます。
だいたい、10才前後になると行われ、早い子だと3才ぐらいで、遅い子だと15才ぐらいで行います。

「うぎゃーーーー」
って思った人、そうです。セネガルの子どもたちも割礼をするとき「うぎゃー」と叫ぶのだそうですよ。
「うぎゃー」っと叫んで手術(?)が終わると、白装束に杖をもった姿で村を歩き回り、周りの大人たちからお祝いとしてお金などをもらいます。

なぜお祝いをもらえるかというと割礼をすることが、大人になることを意味していて、子孫繁栄のための第一歩なんですね。

話を聞きながらぞっとしたかもしれません。
アフリカの野蛮な風習で、そんなことをしない日本が多数派(普通)だよ!って思いましたか?

日本ではあまり一般的ではない割礼ですが、実はかなり多くの国で行われています。
ちなみにアメリカでも6割程度の男の子が生まれてすぐに割礼をするようですよ。

セネガルの病院で働いていた山田さんは子どもが割礼を行うたびに部屋から「うぎゃー」っと叫ぶ声を聴きながら「割礼をすることにおどろいている」と村の18歳ぐらいの青年に伝えたところ、その青年は不思議そうな顔で次のように答えたそうです。

「えっ!じゃあ日本ではどうやって子孫を残すんだ?」

割礼文化の背景として宗教的なものだけでなく、衛生面のため、子孫繁栄のためなど様々な理由が言われていますが、古くはエジプトの壁画にも残っている割礼の風景。多くの国では「普通のこと」なのかもしれません。

【合わせて面白い話】
他にも、人口の9割以上がイスラム教のセネガルではラマダーン(断食)が行われています。日本人にはなじみのない断食ですが、発育への影響を考慮して、実は子どもの頃から大人と同じようにするわけではなく、大きくなるにつれ少しずつ実施しています。
初めて大人と同じ期間断食ができた時の子どもの表情はそれはそれは自信に満ちているそうです。
「やったーーーー!大人になったぞーーーー!」
彼らにとって断食も一つの子どもから大人への通過儀礼といえるのかもしれないですね。
【実施上の注意】
性的な内容を含むので扱い方については自己責任でどうぞ。

語り手/写真:山田直之
活動時期・形態:2011-2013 ・青年海外協力隊(村落開発普及員)
聞き手:糀広大

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