2016年2月18日木曜日

選挙の準備はできていますか?

地域:中南米
国:エルサルバドル
テーマ:選挙、民主主義


こちらは、エルサルバドルの首都サンサルバドルのとあるスーパーのお酒売り場です。
「これ、いったいどういう状況でしょう?このテープはナニ?」


エルサルバドルでは、選挙の前日・当日・翌日の3日間、全国で酒類の販売禁止令が施行されます。これはスーパーや商店での酒類の販売禁止や飲食店での酒類提供の禁止も含みます。スーパーではお客さんがお酒を買わないように、このようなテープを張って「今日はお酒が買えない日です」とお知らせしているのです。

「なぜ、選挙の日はお酒が買えないんだと思いますか?」

エルサルバドルの選挙はなかなか情熱的。みな、自身が推薦する候補者や政党があり、その支持している候補者(または政党)のために熱心な支援活動を行います。対立する候補者の支援団体と鉢合わせになろうものなら、いつ紛争状態になってもおかしくありません。


ですので、特にヒートアップするこの3日間はお酒の販売を禁止し、少しでも安全に選挙が行われるようにという意味があります。


そんなエルサルバドルの選挙で私が一番おどろいたのは、子どもたちが選挙運動に参加していることです。先に述べたように、選挙運動にはとても危険が伴うのに、親たちは子どもも引き連れて参加し応援させます。写真の子どもたちはほとんどが10代だと思われ、中央に座っている男の子は小学生でしょう。もっともっと小さな子も参加しています。


エルサルバドルでは満18歳以上の人が選挙権を持つこととなっていますが、このように選挙権が与えられる前から選挙に関わることで、「自分が応援する人。自分が応援する政党。自分が支持する政策」などを、きちんと考えているように思えます。中学1年生の女の子たちが、どの政党を支持するか、その理由までちゃんと話しているのも聞いたことがあります。
危ない選挙運動の場に子どもを連れて行くことについては、個人的には賛成していないのですが、子どもたちが選挙を通して自分の国を作っていくと言う流れを理解していることはとても感心することでした。

日本もまもなく18歳から選挙に参加できるようになります。みなさんは、エルサルバドルの選挙について、どのように感じますか?



※コメント
私自身も、エルサルバドルでの選挙運動を目の当たりにして、日本の選挙、いや自分自身の選挙に対する考えがずいぶんと変わりました。エルサルバドルは1992年まで12年間、長く内戦状態にあった国で、未だ開発途上国と呼ばれる国ではありますが、自分の国を自分たちで何とかしなければと言う思いは私たち日本人よりも大きいように思います。日本の子どもたちにとって、選挙はあまりにもかけ離れた位置にあるように感じます(自分もそうでした)。しかし間もなく、18歳になれば選挙に参加する義務が生じることになります。エルサルバドルの選挙運動について賛否はありますが、是非、同じ年頃の子どもたちが選挙について真剣に考えていると言うことを知り、考えるきっかけになればと思っています。



語り手・写真:橋口恵利子
活動時期・形態:2012-2014 ・シニア海外ボランティア(番組制作)

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